健康運動指導士の資格解説!実はトレーナーも取得している隠れた人気資格なんです

日本には、長らく健康産業を支えてきたある資格があります。それは「健康運動指導士」です。

資格を取得する過程で、医学や運動生理学の観点で、体のことを学ぶことができます。

今回は、そんな健康運動指導士がどんな役割を持つ資格なのか。取得したらどんな仕事に活かせるのかを解説します!

健康運動指導士の役割!健康運動実践指導者とはどう違う?

健康運動指導士を認定している「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」は、

  • 昭和53年5月1日に設立された財団法人健康づくり振興財団
  • 昭和40年3月24日に設立された社団法人国民健康つくり運動協会

が、昭和56年6月1日に合併して現在の姿となりました。

健康・体力づくり事業財団は基本的に、文部科学省が定める「国の健康・体力づくり施策」に沿った事業活動を推進しています。

健康運動指導士の役割

健康運動指導士の役割は、健康・体力づくり事業財団で次のように定義されています。

個々人の心身の状態に応じた、安全で効果的な運動を実施するための運動プログラムの作成及び指導を行う者

簡単に言うと、健康運動指導士は「一人一人のコンディションに応じた安全・効果的な運動プログラムを作れる・指導できる人」を意味するわけです。

この健康運動指導士を養成する事業は、昭和63年から厚生労働大臣の認定事業として進められてきました。

平成17年に認定制度は一時廃止され、18年からは財団独自の事業として継続。平成19年度に制度は改正され、現在の健康運動指導士としての姿に変わりました。

健康運動実践指導者との違い

同財団が発行している資格には、「健康運動実践指導者」という資格があります。

2つの資格、名前が似ていてややこしいと感じる人がたくさんいるようです。財団が定める健康運動実践指導者の役割は、次のようなものです。

積極的な健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践指導できる能力を有すると認められる者

端的にいうと、健康運動実践指導者は健康運動指導士が作成したプログラムについて、実践指導を行う役割があります。

もちろん、健康運動実践指導者自身にも医学的な知識や運動生理学的な知識が備わっています。いずれも取得条件はほぼ同じで、活動場所も似ているのもややこしさの原因です。

登録者の状況

2019年2月1日現在、健康運動指導士の登録者数は18,031名。ちなみに健康運動実践指導者は20,332名です(国内のみ)。日本全体で2万名弱の有資格者がいるということになります。

健康運動指導士の取得方法!2つのルートを解説

健康運動指導士を取得する場合は、次の2つのルートのどちらかを通る必要があります。

ルート1:健康運動指導士養成校を卒業

  1. 健康運動指導士養成校を修了する
  2. 認定試験に合格する(不合格の場合は再受験可能)
  3. 合格
  4. 健康運動指導士の登録手続き
  5. 健康運動指導士の称号取得(以降、5年ごとに登録更新が必要)

ルート2:講習会の修了

  1. 受講決定者になり、講習会を受講、修了する
  2. 認定試験に合格する(不合格の場合は再受験可能)
  3. 合格
  4. 健康運動指導士の登録手続き
  5. 健康運動指導士の称号取得(以降、5年ごとに登録更新が必要)

健康運動指導士養成校

健康運動指導士養成校は、財団が認定した体育系の学部・コースが置かれている学校です。

大学・短大・専門学校のいずれかに分かれ、ほぼ全ての地方に点在しています。
(東北地方は仙台大学のみなど、極端に学校数が少ない地方もあります)

「健康運動指導士養成校」で検索すると出てくるので、ぜひチェックしてください。

健康運動指導士養成講習会の受講資格

健康運動指導士を取得する方法の1つに「講習会」があります。講習会を受けるための条件は、次のいずれかに該当することです。

  1. 体育系短期大学、体育専修学校、もしくはこれと同等以上の学校の卒業者や卒業見込みである
  2. 3年以上運動指導に従事した経験のある者
  3. 運動指導に関連する資格を有する者(エアロビックダンスエクササイズインストラクター、スポーツプログラマー、フィットネストレーナー、ヘルスケア・トレーナー、アスレティックトレーナー、運動普及推進員)
  4. 保健医療に関する資格を有する者(保健師、管理栄養士、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、介護福祉士、介護支援専門員、保育士、介護職員実務者研修修了者(ホームヘルパー1級)、介護職員初任者研修修了者(ホームヘルパー2級)
  5. 学校教育に関する資格を有する者(幼稚園教諭、小・中・高等学校教員免許)

健康運動指導士養成講習会の内容

健康運動指導士養成講習会は、大きく6種類のカリキュラムに分けられます。

Aカテゴリー

1.健康管理
2.健康づくり
11.運動プログラムの実際
12.運動負荷試験

Bカテゴリー

3.生活習慣病(NCD)
11.運動プログラムの実際
13.運動行動変容の理論と実際
14.運動とこころの健康増進
15.栄養摂取と運動

Cカテゴリー

4.運動生理学
5.機能解剖とバイオメカニクス(運動・動作の力源)
6.健康づくり運動の理論

Dカテゴリー

8.体力測定と評価
9.健康づくり運動の実際

Eカテゴリー

9.健康づくり運動の実際

Fカテゴリー

7.運動障害と予防
10.救急処置
15.栄養摂取と運動

合計6種類のカテゴリーから、必要に応じて受講科目が変わる

合計6種類のカテゴリーに分類されるカリキュラムのうち、自分がどんな資格を持っているか、経験があるかで4つのコースのいずれかを宇高します。

  1. 104単位コース(A,B,C,D,E,Fの全てを受講)
    特定の資格をもち、四年制大学の卒業者(卒業見込み含む)
    (特定の資格…歯科医師、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師)
  2. 70単位コース(A,C,D,Eを受講)
    保健師または管理栄養士の資格保有者
  3. 51単位コース(A,B,Fを受講)
    四年制体育系大学(教育学部体育会系も含む)の卒業者(卒業見込み含む)
  4. 40単位コース(A,Bを受講)
    ・健康運動実践指導者の資格保有者
    ・日本体育協会認定の資格保有者(スポーツプログラマー、アスレティックトレーナー、フィットネストレーナー)
    ・日本フィットネス協会認定の資格保有者(ADE、ADD、AQE、AQS)

勉強法〜学校のカリキュラム、講習会の予習・復習が必須!

2019年3月21日に実施された、第141回の健康運動指導士認定試験。その合格率は次のようなものでした。

  • 104単位コース受講者:90.0%
  • 70単位コース受講者:98.8%
  • 51単位コース受講者:81.5%
  • 40単位コース受講者:82.5%
  • 健康運動指導士養成校養成講座修了者:67.7%
  • 再受験者:46.5%
  • 合計:72.2%

大学からカリキュラムを修了して、試験を受けた人の合格率は67.7%。講習会受講者は80%以上。どちらも半数以上の合格率なので、健康運動指導士の難易度は決して高くないことがわかります。

ここで注目したいのは、再受験者の合格率が半数を切っていることです。

健康運動指導士の勉強内容は、講習会を見てもわかる通りかなり範囲が広いです。直前まで資格に必要な内容をしっかり勉強できる、講習会受講者の合格率が高いのもうなずけます。

健康運動指導士を取得するなら、ベストは「現役一発合格」をすること。そのためには、大学の授業・講習会に関わらず「予襲復習」を徹底することに集中しましょう。

健康運動指導士の活躍の場

2018年12月の数字ですが、現在健康運動指導士を取得した方は、次のような職場で働いています。

  • フィットネスクラブなど:4,182人
  • 診療所・病院など:2,941人
  • 介護老人保健・福祉施設など:1,188人
  • 健保組合・会社:334人
  • 保健所など:1,463人
  • 学校:1,108人
  • フリーで活動など:2,208人
  • その他(学生を含む):4,800人
  • 合計:18,224人

フィットネスクラブなどフィットネス業界で就職している人が、かなり多いようですね。

それ以外に注目したいのは、フリーランスとして働いている人が全体の約1割ほどいるという事実です。

フリー活動の中身はさまざまですが、最近増えているのは「パーソナルトレーナー」などでしょう。

健康運動指導士の年収

健康運動指導士の方々は、フィットネスクラブ、介護施設、保健所などに多く就職しています。

こういった業種の人々の年収は、年収200万〜400万が中心。

アルバイト・正社員など雇用形態によっても、この数字は変動するでしょう。

パーソナルトレーナーにとっての健康運動指導士

パーソナルトレーナーとして活動する上で、健康運動指導士は必要ありません。というか、無資格でも活動できるのがパーソナルトレーナーの特徴です。

ですが、この資格を取っておくとお客様に「安心」を与えることができます。

というのも、近年全国にパーソナルジムが増えるのに比例して、お客様もジムやトレーナーの情報を入念に調べるようになっています。

これまで「○○大会優勝!」という実績も評価されてきましたが、健康運動指導士のように「学校に通ってとる資格」は、持っているだけで「きちんと勉強している」証になります。

今後参入してくるトレーナーと差別化をするために、こういった歴史のある資格をとることも検討しておくといいでしょう。

まとめ

今回は健康運動指導士について解説しました。

健康運動指導士は他の民間資格と比べて、ちょっと地味な印象ではあります。

しかし日本の健康産業ではかなり歴史のある資格なので、実は結構ネームバリューがあるんです。

他の国家資格(柔道整復師・管理栄養士など)と並行して取得できます。

より健康やダイエット、体作りを学びたい人はぜひ取得を検討してみてください!

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